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2020年12月5日
生涯学習センター
カテゴリ:学び

やまとみらいカレッジ JAMSTECの研究者が語る、海洋・地球・生命 ~海から未来を見つめる研究者たち~ (2020.10.18~11.22)

【目的】
日本は国土面積の約12倍の海域を有する世界有数の海洋国家である。我々は、海から食料の恵みを得て、人や物を行き来させ、海で遊び、海の恩恵を受けてきた。
我が国で「持続可能な開発目標」(SDGs)を考える際、新たな科学技術で海洋立国日本の実現を支え、国民、人間社会、そして地球の持続的発展・維持に貢献することを使命と掲げる海洋開発機構(JAMSTEC)の取り組みは、是非知っておくべきと考える。海洋・地球・生命の統合的理解に挑む世界を先導する研究機関の仕事を知ることで、受講者が自身の身近な問題と世界への繋がりを知り、改めて「自分にできる持続可能な社会への取り組み」を考える講座とする。


【取り組み内容】
講座は全5回、JAMSTECに所属する第一人者の研究者に、テーマごとに講演していただきました。
【第1回目】は、近年話題となっている海洋プラスチックごみの問題です。
なぜ「2050年に海洋プラスチックごみは魚の総量を超える」と言われているのか、その由来となったデータや現在のプラスチックごみの世界の状況、そして解決策の一助となるかもしれない生分解性プラスチックが、深海という海底環境の中でどのように分解していくのかを長時間実験観測している「江戸っ子1号」という研究装置について紹介されました。
【第2回目】は海底で地震や津波がおこるメカニズム、2011年東北沖地震の震源域で何が起きていたか、JAMSTECによる発生後1年間の調査、今後の海域地震に備えるために今何を行っているかについて解説されました。
【第3回目】は海洋と気候の関係について熱容量・海洋の流れから解説。現在の観測方法の紹介(現場観測・衛星観測)と海面水位の変化について、また今後どのように海面上昇に対応していくべきか話されました。
【第4回目】は最近のトピックとして、深海生物の新発見よりも、どこからくるのかといった、より詳細な生態観測と海底調査機器について話されました。また深海底で撮影された生物の映像解説もありました。
【第5回目】はJAMSTEC所有の船舶や深海探査機器の紹介、「しんかい6500」の現場観測の様子の動画や、海底資源の話や潜水船の歴史も解説されました。


【成果】
受講者は「深海」に興味を持つ小学生から80歳代と幅広く、かつ出席率も高かったです。やや固めの内容にも関わらず、「近隣でこうした話が伺えるのは有難い」「受講を通して学ぶことが多かった」「それぞれの講師の熱意が毎回伝わってきた」など、評価していただけました。
さらに「JAMSTECの皆さんたちの有意義な活動内容も知ることができて良かった」と、JAMSTECの取り組みについて理解を深めた人も多かったです。「知らないことが身近になった気がする」「研究や実験を通して環境への貢献等をもう少し講義して欲しかった」という感想もありましたが、この講座を機に身の回りの環境問題に興味・関心を持ち、自分なりのSDGsへの取り組みを考える、という目的も達成できました。
生涯学習センターは、これからも“良質の知識”、“本物の学び”に触れられる、市民にとっての身近な場所でありたいと思います。

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