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イベント詳細

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主催事業

新日本フィルハーモニー交響楽団
feat.YAMATO Players

大和市ゆかりのクラシック奏者3名をソリストとして迎え、大和ならではの華やかなガラ・コンサートを開催。

【出演者にインタビューを行いました】
全文はこちら⇒インタビュー全文(PDF:878KB)

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新日本フィルハーモニー交響楽団feat.YAMATO Players
チラシ ダウンロード[PDF]

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日    時 2025年1227日(土)
14:30開場/15:00開演
出    演 松村秀明(指揮)
石井楓子(ピアノ)、遠藤真理(チェロ)、佐藤和彦(テューバ)
新日本フィルハーモニー交響楽団(オーケストラ)
曲    目 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23
ヴォーン・ウィリアムズ:テューバ協奏曲 ヘ短調
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
コメント動画 【松村秀明(指揮)】


【石井楓子(ピアノ/大和市出身・在住)】


【遠藤真理(チェロ/大和市在住)】


【佐藤和彦(テューバ/大和市出身)】

会    場 メインホール
料    金 S席は1階1列目から19列目、バルコニー席1列目から2列目です。
A席は1階20列目以降、バルコニー席3列目以降です。

S席 6,500円
A席 6,000円(全席指定・税込)

※未就学のお子様のご入場はご遠慮いただきます。

チケット取り扱い
【終了しました】友の会会員先行【抽選】2025年9月3日(水)10:00~9月9日(火)18:00

▶応募方法|上記チケット購入ボタンより 
▶当落結果|2024年9月12日(金) ※ご登録いただいたメールアドレスに当落結果をお送りいたします。
▶支払方法|①クレジットカード(セブン-イレブン店頭引取り) 
      ②セブン-イレブン店頭
▶支払期日|当選メールをご確認ください。

※申込枚数:おひとりさま4枚まで。
※座席番号はお選びいただけません。
※セブン-イレブンでの発券となります。チケット料金のほか、手数料をご負担いただきます。


大和市内先行【抽選】2025年9月5日(金)~9月17日(水)必着《限定150席》

▶応募方法|往復はがき(1人1通)
▶当落結果|9月19日(金)以降に順次発送
▶支払方法|セブン-イレブン店頭 ※当選通知はがきにコンビニ払込票番号を記載いたします。
▶支払期日|当選通知ハガキにてお知らせいたします。

チケット情報

※申込枚数:おひとりさま4枚まで。
※座席番号はお選びいただけません。
※電話・FAXや窓口での受付はいたしません。
※はがきの記載内容に不備がある場合、抽選対象外となりますのでご注意ください。
※セブン-イレブンでの発券となります。チケット料金のほか、手数料をご負担いただきます。


一般発売【先着】2025年9月27日(土)10:00~ なくなり次第終了

▶ネット申込|上記チケット購入ボタンより 
      ※支払方法①クレジットカード(セブン-イレブン店頭引取り)
           ②セブン-イレブン店頭
▶電話受付 |046-263-3806(9:00~18:00)
      ※支払方法①1階ホール事務室(現金のみ)
           ②セブン-イレブン店頭
▶窓口受付 |1階ホール事務室(9:00~18:00)
       ※一般発売日の翌日以降、残席がある場合のみ販売。
      ※支払方法 1階ホール事務室(現金のみ)

※一般販売の初日はインターネット・電話のみの取り扱いです。
※チケットは予約日を含め、8日以内にお引取りください。
※ネット申込でクレジットカード支払いをされたお客様は、公演当日までにセブンーイレブンにてチケットのお引き取りをお願いします。
※セブン-イレブンで発券の場合、手数料が発生します。ご了承ください。
後援 FMやまと
株式会社タウンニュース社
株式会社ジェイコム湘南・神奈川
お問い合わせ 芸術文化ホール 電話.046-263-3806(9時~18時)
注 意 事 項 ※中止の場合をのぞき、チケットの変更・取消・払い戻しはできません。
※やむを得ない事情により内容に変更が生じる場合がございます。ご了承ください。
関連イベント 2025年12月26日(金)「YAMATO Playersによるスペシャルプレトーク
  • 松村秀明(指揮)

    慶應義塾大学法学部卒業。大学在学中より洗足学園音楽大学附属指揮研究所にて学び、マスターコースを修了。
    これまでに指揮を秋山和慶、河地良智、増井信貴、湯浅勇治の各氏、ピアノを馬場幸希江、クラリネットを四戸世紀の各氏に師事。
    2006〜2008年の「アフィニス夏の音楽祭」に指揮研究員として参加、2010年度は新日鉄文化財団により新設された指揮研究員のオーディションに合格し、紀尾井シンフォニエッタ東京で研鑽を積む。第11回アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールで第3位入賞。
    これまでにオーケストラ・アンサンブル金沢、大阪交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、岡山フィルハーモニック管弦楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、九州交響楽団、京都市交響楽団、群馬交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、千葉交響楽団、中部フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京都交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、日本センチュリー交響楽団、兵庫芸術文化センター管弦楽団、広島交響楽団、山形交響楽団、読売日本交響楽団を指揮。2012年にはイタリアのボルツァーノ=トレント・ハイドン管弦楽団に招かれて3公演を指揮、好評を博す。
    また、2019年の天皇陛下のご退位と新天皇ご即位にあたり、日本テレビによって制作された楽曲「新時代へ」(佐藤直紀作曲)の録音を指揮(演奏は読売日本交響楽団)。大きな話題となっている。
    現在、洗足学園音楽大学非常勤講師。

  • 石井楓子(ピアノ)

    大和市出身。
    2022年ノルウェーにおいて第17回グリーグ国際ピアノコンクール優勝。本選ではローレンス・フォスター氏の指揮でベルゲン交響楽団とグリーグのピアノ協奏曲を演奏。
    桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学卒業。渡欧後、ケルン音楽大学で研鑽を積み、バーゼル音楽院修士課程・演奏家課程を最高点で修了。その他の受賞歴に第82回日本音楽コンクールピアノ部門第1位、2019年 ドイツ・デトモルトにおける第2回ブラームス国際ピアノコンクール第1位などがある。これまでにバーゼル交響楽団、デトモルト州立劇場管弦楽団、ベルゲン交響楽団、デトモルト室内管弦楽団、アルゴフィアフィル、ブラショフフィル、ヤナーチェクフィル、また国内ではN 響、読響、京響、東響、日本フィル、 新日本フィル、日本センチュリー、神奈川フィルをはじめとする多くのオーケストラと共演。秋山和慶、高関健、下野竜也、沼尻竜典、尾高忠明、曽我大介、阪哲郎、川瀬賢太郎、松尾葉子、現田茂夫ら各氏の指揮者と共演、コンチェルトレパートリーはバッハから三善晃、メシアンに至るまで多岐にわたる。2014年大和市芸術文化未来賞受賞。2019年度文化庁新進芸術家海外研修制度研修員。2021年ドイツ・ ブリュートナーによるブラームス作品のCDをリリース。これまでにピアノを江崎光世、加藤伸佳、村上弦一郎、クラウディオ・マルティネス・メーナーの各氏に師事。2024年度はノルウェーのロフォーテン国際室内楽フェスティバル、ベルゲン音楽祭等に出演予定。8年のヨーロッパ滞在を経て、2024年に完全帰国し日本での活動を本格始動。同年4月より桐朋学園大学非常勤講師に着任。

  • 遠藤真理(チェロ)

    大和市在住。
    2003年第72回日本音楽コンクールで第1位、2006年「プラハの春」国際コンクールにて第3位(1位なし)、2008年エンリコ・マイナルディ国際コンクールにて第2位。
    神奈川県出身。東京芸術大学を首席で卒業。臼井洋治、河野文昭、山崎伸子、藤森亮一、クレメンス・ハーゲンの各氏に師事。2007年ザルツブルクのモーツァルテウム音楽大学マギスター課程を満場一致の最高点で卒業。同年神奈川県より文化賞未来賞を、2009年12月には齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞した。
    2006年9月にリサイタルデビュー。これまでにアンサンブル金沢、新日本フィル、東京シティフィル、東京都響、東京フィル、東響、神奈川フィル、札幌響、山形響、名古屋フィル、日本センチュリー、九州響など国内主要オーケストラに招かれ、小林研一郎、井上道義、飯森範親、山田和樹、ゲルハルト・ボッセ、ジャン・ピエール・ヴァレーズ、ルドヴィーク・モルローなど国内外で活躍する指揮者と共演。ドイツ・キームガウ春の音楽祭、神戸国際芸術祭では世界で活躍中の若手奏者を集めたアンサンブル・ラロと、ザルツブルグにてザルツブルク・ゾリステンとも共演するなど、室内楽奏者としても活躍中。またウィーン室内管、プラハ響とも共演し、国内外のアーティストから高い評価を得る。 ソリストとして活動しながら2017年4月より読売日本交響楽団のソロ・チェロ奏者にも就任。
    2010年NHK大河ドラマ「龍馬伝」の「龍馬伝紀行」(第三部)での音楽演奏を担当。エイベックス・クラシックスから同曲が収録された「Cello Melodies 龍馬伝紀行Ⅲ」や「ドヴォルザーク:チェロ協奏曲」をはじめ4枚のソロ・アルバムと、2019年12月には川久保賜紀(ヴァイオリン)、三浦友理枝(ピアノ)とのトリオ・アルバム「ショスタコーヴィッチ:ピアノ三重奏曲第1番、第2番」「ピアノ三重奏 坂本龍一曲集」が同時発売され、トリオ・アルバムも3枚リリースされている。2012年4月より8年間NHK-FMのクラシック音楽番組「きらクラ!」(全国放送)のパーソナリティを務めるなどテレビやラジオ番組へも多数出演し幅広く活躍している。
    オフィシャル・ホームページ:http://endomari.com

    ©Yusuke Matsuyama
  • 佐藤和彦(テューバ)

    大和市出身。
    国立音楽大学卒業。
    第5回フィリップ・ジョーンズ国際コンクール(仏)テューバ部門第3位受賞。第43回マルクノイキルヒェン国際コンクール(独)テューバ部門第2位受賞。東京オペラシティリサイタルシリーズ「B→C」にてソロリサイタルを開催。fontecより「Eternal」、B-Musicより「コップラッシュ60の練習曲」、「テューバ小品集」をリリース。テューバを稲川榮一、柏田良典の両氏に師事。
    現在、新日本フィルハーモニー交響楽団 首席テューバ奏者、ミッドタウン・ブラス・ジャパン、ズーラシアンブラス、ジャパン・テューバ・ソロイスツ、各メンバー。東京藝術大学、国立音楽大学、くらしき作陽大学、平成音楽大学、各非常勤講師。日本ユーフォニアム・テューバ協会理事長。

  • 新日本フィルハーモニー交響楽団(オーケストラ)

    1972年、小澤征爾、山本直純の下、自主運営のオーケストラとして創立。97年、すみだトリフォニーホールを本拠地とし、日本初の本格的フランチャイズを導入。定期演奏会や特別演奏会の他、地域に根ざした演奏活動も精力的に行う。
    99年、小澤征爾が桂冠名誉指揮者に就任、歴代の指揮者には、初代音楽監督・小泉和裕(75~79年)、第2代音楽監督・井上道義(83~88年)、第3代音楽監督・クリスティアン・アルミンク(2003~13年)、第4代音楽監督・上岡敏之(16~21年)。ダニエル・ハーディングがMusic Partner of NJP(10~16年) 、インゴ・メッツマッハーがConductor in Residence(13~15年)を務めた。新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラの音楽監督に久石譲(2004年~) 、久石は新日本フィルMusic Partner(2020年~)も務める。
    受賞歴に三菱信託音楽賞奨励賞、三菱UFJ信託音楽賞、ミュージック・ペンクラブ音楽賞等。
    2023年4月より佐渡裕が第5代音楽監督に就任。街・ホール・オーケストラが一体となった音楽活動を行う。

    公式ウェブサイト:www.njp.or.jp
    公式X:@newjapanphil
    公式Facebook:/newjapanphil
    公式Instagram: /newjapanphil

出演者インタビュー【全文】

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Q.演奏する曲について教えてください。

石井楓子「ピアノ協奏曲 第1番(チャイコフスキー)」

やまと芸術文化ホールの主催公演では、オーケストラのクラシックコンサートが久しぶりと伺ったので、誰もが知っているような有名な作品をお届けしたいと思っていたんです。私はドイツとスイスに留学していたので、 そちらの方の曲を弾くことが多いのですけれど、実はロシア音楽にも思いが強くて。この曲は、ちょうど私が 20 歳ぐらいの時に初めて弾いたんですけれど、留学前だったということもあり、まだ腑に落ちてないところもありました。それから 10 年以上経ち、この機会に、 この思い出深い憧れの曲を地元大和で弾けたらいいなと思ったのが、選曲の大きなきっかけです。オーケストラとピアノが波のように一体になる感覚というのは、ロシアのピアノ協奏曲の良さだと思っています。留学中はロシア奏法を受け継ぐ先生に師事しており、そうして学び直したことでいろいろと感じたこともあります。室内楽的な対話というよりも、ぶつかっていくというか、ある意味、戦いのようなところもあったりして、弾いていても聴いていても面白いですね。この曲を知っている人も知らない人も、迫力を楽しんでいただけるのではと思います。演奏するのが楽しみです。

佐藤和彦「テューバ協奏曲(ヴォーン・ウィリアムズ)」

テューバって、多分皆さんの認識としては、ピアノやチェロのような立派にソロ楽器として認識されている楽器と同じように演奏することは珍しいというか、変わり種みたいな感じだと思います。実は、今回のヴォーン・ウィリアムズのコンチェルトを新日本フィルと共演するのは4回目で、何かにつけてやっていて。これしかないんじゃないかな?という感じで選曲しました。ピアノやチェロと比べると、テューバのコンチェルトは少ないですが、その中で一番の名曲です。だから、毎回その貴重なコンチェルトをやらせていただけるのは嬉しいですね。聴きどころなんですけど、特に二楽章のロマンツァが、弦楽器との音色のブレンド感がすごく魅力だと思うんですよ。テューバは、普段のオーケストラでの役割としては下から支えている楽器で、仲間の金管楽器と一緒に音色を作ることには慣れているんですけれど、弦楽器とは音の出し方が全然違うということもあり、音を上に乗せていくというのが、普段から苦労するところなので、それができた時にはすごく達成感がありますね。そういう音色のブレンド感を感じてもらえたら嬉しく思います。

遠藤真理「チェロ協奏曲(ドヴォルザーク)」

チェロと言ったら、このドヴォルザークのコンチェルトが本当に有名ですし、このコンチェルトがあることによって我々チェロ奏者も救われるというか。チェロってどうしても周りの音に馴染んでしまうところがあって。ヴァイオリンは音が高いので飛びますし、ピアノはオーケストラとは音の質が違うし、管楽器は管楽器ですごく音が通りますから、そういう意味でチェロってすごく不利だなと思っていました。ただ、自分がオーケストラで弾くようになってみて、このドヴォルザークのコンチェルトのオーケストラの充実感が、本当にシンフォニックに書かれていると感じて。特に木管楽器が大活躍しますし、木管とチェロのソロの対話が、室内楽的にもすごくよく書かれているので、そこを聴いてほしいなと思います。オーケストラとの対等な語り合いっていうのがすごく魅力だと思っています。チェロは音域が広い楽器なので、高音域から重低音まで「こんないろんな音が出るんだ」というところも、ぜひ感じていただけたら嬉しいです。

松村秀明(指揮)

普段クラシック音楽を聞かない人でも、きっと楽しめるプログラムです。チャイコフスキーは超名曲で盛り上がると思いますよ。オーケストラとピアニストがバン!って、いい意味で競争するというか、ぶつかるという。それは本当に生で聴いていないと分からないし、その熱量が伝わらないと思う。ヴォーン・ウィリアムズは、イギリスらしいエレガントな部分が素敵ですよね。佐藤さんがおっしゃっていた二楽章も、ぜひじっくり聴いてもらいたいです。ドヴォルザークも本当に名曲で、遠藤さんもおっしゃっていた通り対話的。日本人に合うという言い方がふさわしいか分からないですが、メロディで使う音が我々にしっくりくる部分があって、懐かしさも感じますね。そういったところを楽しんでもらえたらと思います。

Q.演奏にあたって気にしていることはありますか?

松村:ヴォーン・ウィリアムズは、僕は今回初めて指揮をするんですけど、やっぱりオーケストラの団員がコンチェルトのソリストをやる時のオーケストラの響きって、何かが違うんですよ。「オーケストラでこんなにあたたかい音が出せるんだ」って、いつも思うんです。普段の新日本フィルもすごく素敵な音なんですけど、多分その時とはまた違う、佐藤さんの人柄が引き出す響きが出るんじゃないかなと思っています。

遠藤:ご自身ではどう感じていますか?

佐藤:やっぱり、なんか安心するというか。普段助け合っている分、同じように助けてくれるんじゃないかなという安心感がありますね。

遠藤:そうなんですね。逆なのかな?と思って。みんながソリストとして、後ろから見ているわけじゃないですか。いつも後ろから見ている立場がこう、前に来た時の見え方というか。ヴァイオリンってこんなによく聞こえるんだ、とか。見え方が違うと逆にこう、ドキドキするのかな?って。

佐藤:そうですね。まあ慣れないっていうのはありますね。やっぱり、普段は前で演奏しないし。指揮者も隣にいるっていうね。いつもはこう、ちょっと見えにくいなぁ、っていうのがあったりするのがね(笑)。距離感が違うって。まあ、そこは慣れないというのはありますけどね。普段と役割が全く違うというのもあって。低音楽器って、特にテューバなんていうのは盛り上った時しか出てこないんですけど、結構影響力が強いんですよね。普段はオケを引っ張っていくっていう役回りだけど、ソリストになるとそうはいかなくて。自分一人でいつもみたいに力ずくではいかないんだなっていう。だから、みんなに乗っかって任せるっていう感じが普段と違う。その辺は、ソリストとしての役割というところで戸惑う部分はありますね。

遠藤:私は、オケだと、自分が率先していくとどうしても速くなっちゃうんですよね。アタックとかが。なので、どちらかというと、気持ち的には耳を後ろに向けるじゃないですけど。たとえば木管だったらファゴットと大体一緒だし、金管だったらテューバとトロンボーンと一緒のメロディを弾くことが多いので、その辺の低音域にはすごく後ろにアンテナを張っているんですけど、ソロを弾く時っていうのは音域も全体的に高いし、視線が変わります。座り方も違うし、全部違うと私は思うんですけど、そんな話を友達にすると、「いや、一緒だよ。」って言われてしまうんです(笑)。だから人それぞれなのかなって。私の場合は、ソロで弾かせてもらう時と、オケ中で弾く時と、全然やることが、仕事が違うと思っています。

石井:私も室内楽やリサイタルやコンチェルトなど、いろいろなジャンルで演奏していますが、どれも全然演奏の仕方は違うんですよね。コンチェルトでは周りの音を聴きつつ前に出ていく必要があるのですが、 オーケストラパートを活かしつつ、ダイナミックにソロパートを演奏するためには強い解釈や意志の力が求められていると感じます。

松村:コンチェルトっていうのはソリストありきで書かれた曲なので、ソリストとの対話をしっかりとしたうえで、曲全体を一つのまとまりある演奏になるように構築していけるのが、指揮者としての理想だなと思っています。

Q.大和への思いを教えてください。

遠藤:私は今、家族と一緒に大和に住んでいて、子どもたちも大和市の学校に行っているので、その学校関係の人も目に留まって来てくれると思うんです。私の子ども達が行っている学校ですごく感じるのは、大和は文化への意識が高いなって。子どもの友達が家に遊びに来た時に、「え、ママ楽器弾いてるの?聴きたい!」なんて言ってきたりするんですね。そういうのを見てると、みんな音楽が好きなんだなとか、興味があるんだなって。一方で、あまり学校で授業以外に音楽を体験できる機会がないんですよ。それがすごく残念なので。こういう機会に、場所も近いし、興味のある子たちが気軽にコンサートに足を運べたらいいですよね。「シリウス行ってくるわ」「いいね、近いね」なんてね。やっぱり生音を肌で感じるとか、オーケストラをみて「こんなにたくさん楽器があるんだ」って発見する、すごくいい機会だと思って。

佐藤:僕はずっと子どもの時から大和市で育って、テューバは部活で始めたんですが、そういった大和市での経験がなかったら、今はやってなかっただろうな、ということばかりで。シリウスのすぐ裏に僕のピアノの先生の家があって、この辺は子どもの時から通っていたので、まさかこんな立派なホールができると思ってなかったんです。まだ、こういうホールができる前までは、大和市で自分が演奏家として何かできるなんて想像もしていなかったんですけど、ここ数年ありがたいことにそういう機会をいただけて、恩返しみたいなことができるといいかなと。やっぱり、せっかくこういうホールがあると、文化的にもどんどん向上していっていると思うので、何かそのきっかけになったらいいなと。僕のことを子どもの時から知ってる人はもちろんですが、高校生の時とかに全然関わらずクラスも一緒にならなかった同級生とかも、「なんかやるんだって?」と偶然にもこの公演情報を見て連絡してくれたり、新たな繋がりができたりして。そういった、いろんな繋がりが生まれればな、という気持ちでいます。

石井:私は生まれが南林間で、両親もピアノ教師ですので、普段から地元のお子さんたちと関わったり、 私もその様子を見てきたんですけれども、そういったお子さん達は音楽や文化にすごく興味はあるんですが、都心のコンサートだとちょっと行きづらいこともあるんです。 でも、このシリウスができてから、だんだん 「コンサートに行ってみる!」っていう子たちが増えてきて。私も機会があれば名曲を弾いて、聴いてもらったりして、 刺激になればいいなと思っているんですけれど、やはり今回のように、素晴らしいホールでプロのオーケストラとの演奏を聴いてもらえたら、とても嬉しいなと思っています。以前は大和市内でコンサートするとなった時に、どこがいいのかなと悩むことがあったので、だいぶ環境が変わってきた数年だなと感じています。この 12 月に向けてぜひ市内の方々にお知らせできたらなと思っています。

松村:僕は大和市ではないのですが、実は神奈川県民で小田急線沿いに住んでいて。中高校生の時は湘南台まで通ってたので、個人的にはなんだかすごく近い居場所って感じがして。なので、僕も仲間に入れてほしいです(笑)!シリウスは人がたくさん出入りするのがとてもいいところで、重要なところだなと思って。ホールで演奏会がなくても人がいて、そこでこういうチラシを見たり、普段コンサートホールに行かない人にも来てもらえるチャンスだと思うので、そういう人が聴きに来た時に、来てよかったなって思ってもらえるような演奏ができたらと思います。

Q.お互いへの印象や当日の演奏で楽しみなところはありますか?

佐藤:チェロのドヴォルザークは、もう何度やったか分からないぐらいよくやる曲なので、オケ中でも演奏したいなと思いつつ、あのメロディーをテューバで吹いたら気持ちいいだろうなと思ったり。この曲のテューバも実は結構シビアだったりするんですよね。いいところも難しいところも全部含まれていて、憧れの曲っていうか。ピアノのチャイコフスキーは編成にテューバが入ってないんですよね。なので、そういう時は裏でみんなの演奏を聴きながら、夢心地っていう感じですね。

石井:私は低音楽器が特に好きで、弦楽器はチェロが好きですし、コンチェルトを演奏していても、オーケストラで低音が迫力をもって響くところがたまらないと思っています。チャイコフスキーのコンチェルトは残念ながらテューバはないのですけれど、金管楽器の華やかな音が素敵で。 遠藤さんも佐藤さんも、 オーケストラの経験もソリストの経験も本当に大先輩でいらっしゃいますので、 リハーサルも楽しみですし、いろいろな新しい発見を私も経験させていただきたいです。

遠藤:お二人と話しているだけでも、本当にお人柄が見えるといいますか。大和の自然の中で育たれて、いい環境だったんじゃないかなと思うんですよね。大和は自然が身近にありつつ、それでいてちょっと足を伸ばせばすぐ新宿も行けますし。山にも囲まれて、うちからちょっとだけ富士山も見えるんです。そういった中で、音楽をのびのびやってこられた方々なので、緊張感はありつつ、素晴らしい演奏をされるのではないかと思います。

Q.ご皆様へメッセージをお願いします。

松村:3名のソリストの素晴らしい演奏をぜひお楽しみください!この3名の演奏が聴けて良かったね、と思ってもらうのと同時に「やっぱ、いい曲だったね」と思ってもらえたらすごく嬉しいです。オーケストラが初めての方もいるかもしれませんが、絶対に楽しめると思いますし、ステージのキラキラしている感じとかも体験できると思います。新日本フィルの雰囲気は、本番になると、パッてステージが明るくなるようなイメージが僕にはあるので。年末を飾る新日本フィルの華やかなキラキラした雰囲気も味わってもらえたらなと思います。皆さんの五感を使って、素晴らしい音のシャワーを浴びて欲しいです。

石井:チャイコフスキーというと、『くるみ割り人形』が有名かなと思うのですけれど、子供も大好きなチャイコフスキーの人気というか、人の心をつかむ魅力というのをすごく感じています。このピアノ協奏曲は、出だしはとても有名ですが、その後はあまり知らない方もいるかもしれません。この曲は、非常に物語性があり、幻想的で、広大な大地を思わせる抒情詩のようなところがありますので、そういったところを全曲通して聴くことでぜひ楽しんでもらえましたらと。チャイコフスキーの素晴らしさをぜひお伝えできましたらと思っています。

遠藤:チェロという楽器を意外と間近で見たことない方もいると思うので、オーケストラに対峙するソリスト楽器としてのチェロを見て欲しいとは思いつつ、オーケストラ全体の色彩が豊かなサウンドも楽しんでもらえたらと思います。よく、「室内楽とオーケストラって何が違うんですか?」と聞かれることがあって、人によっては大きな室内楽がオーケストラだと思っている人もいるんです。間違ってはいないけど、なんと言っても指揮者がいることが一番の違いで、指揮者の存在ってすごく大きいということを、聴いてる方も感じるんじゃないかなと思います。どうしてこう振ったら音が出るのだろうとかね。そういうところは、生で見ることでその空気感とか呼吸とかが聞こえてくるので、そういうところを楽しんでいただきたいと思います。

佐藤:今回、本当に素晴らしいソリストとご一緒する中で、新日本フィルを代表するわけじゃないですけど、大和市出身として、架け橋のような感じになれたらいいのかなと思っています。今回は、名曲コンチェルト揃いのプログラムで、オーケストラだけの曲がないのですが、今回のコンサートをきっかけに、オーケストラを、新日本フィルをもっと聴いてみたいな、新日本フィル素敵だなっていう大和のお客さんが増えてくれたら、大和市出身の演奏家として、すごく嬉しいなと思っています。